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ミヒャエル・ハネケ監督「愛・アムール」を観てきました。
なかなか観に行く時間がもてず、ギリギリになりましたが
観ることができて本当によかった、と思います。

ピンと張りつめた緊張感ではなく、一定の静けさの中で語られる
穏やかな緊張感のある映画でした。
そんなテンションで描かれる老夫婦の終焉。
冒頭で結末が明かされるので、その結末へ向けて覚悟を決めて
見守るような、ちょっと息苦しいような気分。

人生がつまった部屋で長年連れ添い強い絆で結ばれた2人、
尊厳を持ち続けたいとする妻を静かに夫が介護する暮らし。
離れて暮らす娘夫婦やヘルパーとの衝突を越え、
孤立しながらも、衰えていく妻を愛し慈しみながら、
終わりを探しているような夫。
そんな姿を多くを語らず見せる手法はドキュメンタリーのようでした。
ラスト近く、あぁもう、ここなんだ、と感じた時に、
どわーっと涙が出て止まらず、無音で流れるクレジットをぼんやりと
ただ静かに見つめていました。

観終わってバタバタとしてしまったので家に帰ってから
色々な断片を思い出して繋ぎ合わせて、
自分の中で整理できた時、改めて涙がジワジワ溢れました。

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by tatsukobb | 2013-04-24 17:22 | 映画
主演のグレン・クローズが舞台で演じてから
長い間映画化を熱望し、企画を温めていたのだそう。
監督は「彼女を見ればわかること」「美しい人」「愛する人」 など
監督をしてきたロドリゴ・ガルシア。大好きな監督です。
「アルバート氏の人生」、じんわりと染みて来る映画。
でも予想外にクスッと笑えるところも沢山あったりして驚きました!
いや、そりゃそうだ、人生楽ありゃ苦もあるさ、です。
ほんわかしたところもあり、人間愛に満ちた映画だなと思いました。
この監督の映画は、そう、いつも優しいまなざしを感じます。

主人公のアルバート・ノッブスが生きたアイルランドの街。
男性女性とかに限らず階級や差別のある世の中で生きることの厳しさ、
生きることが絶望と隣り合わせであるのにそれでもなお生きる。
本当に、人生は厳しいけれど生きる価値がある、のだろうか。
そーんなことを思いながら観ていたら涙がボロボロこぼれてきました。

「なんという惨めな人生か」と言われてしまうアルバートさんだけど、
どうだったんだろう。本当に惨めなだけだったのかな。
辛いけれどそれでも日々に生き甲斐を見いだしていく、
人間って図太いところがあるんだなぁとも思ったし、
あっけなく奪われたり、すり替わったり羽ばたいたりできるんだ。
勿論逃げ出す人もいるけれど、それでもやはり生きるということ、
この難しい問題は 挑む価値のあるものだな、と思いました。

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by tatsukobb | 2013-04-03 16:30 | 映画
しれっと更新。mixiからの移行、第一歩。
映画日記として再スタートしようと思います!

一番最近見て、今年のナンバーワンがもう出たわ!と思った、
「世界にひとつのプレイブック」です。
随分前に予告を観ていて「こりゃー好きだな」と思っていた1本。
主演の2人ブラッドリー・クーパーもジェニファー・ローレンスも
今まで1本も観たことがない俳優さん。
評価が高いけど、どんな感じなのか全くわからないまま出掛けました。

妻の浮気で結婚生活が破綻、仕事も失い精神まで破綻してしまったパット。
若くして夫を失い自暴自棄になり、解雇されたティファニー。
ボロボロの2人が出会って再生していく物語。
そこには(これまたダメな)家族と友達の愛情があって…
って満点私の好きな話!いやもうその通り大好きな話でした。
泣いて笑って、笑って泣いて。最高でした。

はじめて見るブラッドリー・クーパー、ナイーブなパット、好演。
希望を持って生き、身体を鍛えて心身ともに健康にれば復職できる!
そしたら元妻と復縁できる!と思い込んでる姿は滑稽だけど健気で可愛い。
ティファニーと(思惑あって)ダンスを始めてからの心の動きが
綺麗な目の中にジーッと映っているような、印象的な目をした俳優さん。

しかしこの映画はジェニファー・ローレンス演じるティファニー!
あれ?ってくらい不細工な時と驚くほど可愛い時がある不思議な人。
まだ22歳とかなのに貫禄すら感じる堂々たる姿が魅力的。
仏頂面で罵ったり悪態ついたり、でも不器用な女の子を演じてました。
複雑な胸の内がこの人の膨れっ面から溢れて、ジーンときました。

ラストのダンスコンテストは延々泣いていました。笑いながら。
あんなにメチャクチャでハチャメチャなシーン、ない。愛おしすぎる。
「パット、てめー!気づけよ!!」ってティファニーの事が愛おしく、
そして2人の事が愛おしくて、たまらなかった。
見終わって即サントラを買い、DVD購入を誓いました。

ま、しかしこの邦題意味わからんくない?プレイブックって何?
原題の「Silver Linings Playbook」にある「Silver Lining」の元は
英語のことわざに「Every cloud has a silver lining」というのがあるそうです。
直訳すると「すべての雲には銀の裏地がある」…言い換えれば
「どんなに分厚い雲で覆われていてもその上には太陽が輝いている」
というような、逆境の時の希望の光、明るい見通しのことを示すことわざ。
「Silver Linings Playbook」は「再起への指南書」というような意味だそう。
だからってこの映画が「再起へのプレイブック」とかだったら観ないけどね、
なーんか無かったんかな、思いました。 邦題って難しい。
コピーは良かった!「少しイカれた君が、なぜか希望の光」いいねー。

兎に角、これは観て欲しい映画です。
生きるって大変。だけどわかりあえる人が必ずいるから、大丈夫。
もう今年のNo.1が出たよ。大好き!!

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by tatsukobb | 2013-04-02 11:59 | 映画